2008年05月11日
かわいいものは救われるが、対馬の野性ヌコはどう?
パンダをめぐる一連の報道やさまざま意見をみるにつけ、つくづくかわいさというものは種の存続に重要だなぁとナナメな考えに浸っております。なんでパンダばかりこんなに騒がれるのだろうか? と、自戒の意味もこめて。
ふわふわしてて、愛くるしく、抱っこできて、従順で、大人しい。芸など覚えて楽しませてくれようものなら、一発でノックアウトだからですよね。人を魅了する存在。しかしトキではここまでは注目されません。新聞記事にはなるのに。
さらにこれが吸血コウモリだったら、誰も「喪に服すべきだ」などといわないでしょう。いわんやコブラをや。絶滅寸前の魚が腹を上にしてプカプカ浮いてても、気にも留めないでしょう。譲渡されようが、レンタルされようが、(´_ゝ`)フーン という感じになるんだろうな。政治利用されているかどうかすら、考えないに違いない。いや、情報すら伝わってこないだろうな。もちろんそれはマスコミが興味を抱くかどうかも大きな分かれ目なのですが。
井の頭自然文化園では、「ツシマヤマネコ」が見られます。予期せぬ災害などに備え、分散飼育しているのだそうです。あわせて繁殖にも取り組んでいるとか。
ツシマ? アムール? ヤマネコ posted by (C)すずまり
※この写真はツシマだったかアムールだったかわからない1枚(苦笑) うちの井の頭マスターに聞いてみよう……w ツシマヤマネコの動画はこちら
こんなにヌコブームなのにも関わらず、ワイルドな彼らの周りに人だかりはありませんっ!(爆)
パンダは1590頭生息しているらしいですが、対馬の野性ヌコは、2000年ごろの調査では、わずか80~110頭だそうですよ!! (;゜Д゜)
EICネット[「ツシマヤマネコ保護に取り組む人たち」(前編)]
生息を脅かしている要因として、(1)生息地の減少・改変・分断(広葉樹林の減少、荒廃植林地の増加、河川改修や道路整備等の開発による生息地の分断など)、(2)人為的事故(交通事故、イヌによる捕殺、狩猟用罠のトラバサミ)、(3)移入種(野生化したイヌやネコ、イノシシ等)による生息環境の撹乱、(4)イエネコからの病気感染、などをあげる。
うー知りませんでした。人類が誕生する間から種は滅んできたわけで、必ずしも人類の存在が悪影響を及ぼした末の絶滅とは言いがたいこともあるかもしれませんが(そういう滅び方をしていても、そもそも存在を知らないから、気づかないということもあるかもしれないし)、このヌコの場合、明らかに人類の存在は迷惑そうですね。
先日見たとき、ふと
「後ろ足で立ち上がるとか、頭を抱えるとかすればマスコミに注目されて、その存在が広く知れ渡り、種の保存にも役立つかもしれないぞ! 立て! 立つんだJO!」
と思いましたが、彼はただうろうろ歩き回っているだけでありました。カッフン(爆)
このツシマヤマネコ、こんな狭いところで同じ場所をグルグル回るだけ。非常に気の毒だなと思う反面、そこだから直接見られたんだとも考えました。自然から隔離し、動物園で飼育されること自体が問題と考える向きもありますが、そこで見られるからこそ、その存在を認知させることができる、問題を訴えることができるというメリットもあるんですよね。知らない、見たこともないものに感情移入できませんから。こういう動物が存在するのだ、というのをその目で見て知ることは重要だと思います。
通常、野生の状態で見ることは叶わないですし、人間が生息地に足を踏み入れること自体、環境汚染につながることもあるので、動物園で見られるというのは教育的にもありがたいことだと思うのです。
ですから、パンダは要らないか、といえば「YES」と即答できない自分がおります。自分はすでに見たことがあるけれど、まだ見たことのない子供も大人も大勢いる。違った角度から見ると、足を運びやすい場所にいてくれることが、その存在の重要性を伝えることにもなるんじゃないかと。時間的、経済的な事情から、アドベンチャーワールドまではそう頻繁にいけませんし、ましてや中国なんて無理ですし。なんてこれもヒトの勝手な都合ですけどね。
昨今のパンダ問題をきっかけに、対馬のヌコにも思いを馳せ、さらに愛想のない(爆)他の動物にも発展させていけたらと考えているこの頃です。
環境省・対馬野生生物保護センター Tsushima Wildlife Conservation Center
ツシマヤマネコの百科 (動物百科) | |
山村 辰美 データハウス 1996-03 売り上げランキング : 360996 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
投稿者 suzumari : 2008年05月11日 00:15
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.weblady.jp/mt/mt-tb.cgi/7861
※この記事にリンクのない一方的なトラックバックは迷惑トラックバックとみなされ、除外されます。
コメント
友達の死は悲しいけれど、
赤の他人の死には心が動かないのと同じで、
そういう感情は普通だと思うよ。
世間を含め、そう思ってもらえるほどのパンダは幸せだなってこと。
自分も最近パンダのことばかり考えてたけど、
気にも留められない動物もいるなと思ってね。
個人が所有するものではないから、
いろんな思惑や事情が絡むのは仕方ないことだと思って、
あたしは死を悼む気持ちと、次がどうなるという話は、
切り離して考えるようにしてる。
あたしヒネクレ者だから(苦笑)
で、今日上野動物園行って来た。
献花台みたいなものは特別なかったな。
慰霊碑のところがそうだったのかしら。
投稿者 ま : 2008年05月11日 19:11
うーん、ちょっと論点がずれてたらゴメンだけど、
普通、動物園で飼育されている動物が死んだあとは
「喪に服す」というような大袈裟さじゃないにしても
そう言う感じにはなってるもんですよね。
今回の飼育員さんの心情を思うと、死んだ→即・つがいのパンダ、って
すごーくイヤだったろうなぁと思ったです。
悲しかった。なんかねー。
石川動物園のデカ(世界最高齢のカバ)のことを思い出したですよ、実を言うと。
会った動物には、特別な感情を抱いてしまうなぁ。友達のような?
投稿者 ゆ : 2008年05月11日 18:38