2004年04月17日
ノーカット映像
今日見つけたサイトの中のデータに、
外人記者クラブでひたすら謝罪とノーコメントを繰り返す人質の家族たち
という映像がある。
感情的なハイライト部分だけが部分的につままれて流されるTVのニュースとは異なり、外国人記者団からの質問を受ける家族の会見の一部始終。
(まだ解放されていない時期のもの。見終わるための所要時間は1時間6分。)
これをみて、メディアの対応方法が全くわからない家族を守り、世論の風向きをうまくいい方向にコントロールするために、インタビューの中にあるようなコンサルタントが付くべきなんだろうなあと思った。
というのも、今後、もし自分の判断基準の中で物事を判断し、行動した結果、何かトラブルに巻き込まれ、その元となった判断基準が世間とすごいギャップがあった!うそーん!マジー?ビクーリ!!なんてことは自分にも起こりえるわけだ。意図せず大事件にしてしまうみたいなこと。そんなとき、巻き添えを食らう人たちに自分は何もしてあげられないだろうと想像するから。死んでるかもしれないしね!
それをふまえて、こういう事件がおきたら、家族に公的なカウンセラーやコンサルタント、弁護士といった人たちをつけてあげられるようにならないといけないんじゃないか、と思ったのだ。残されたものたちは、当事者ではないわけで、無事を祈る気持ちを口にすることはできても、完全に当事者を代弁することはできないし、擁護してあげたくても、材料不足かもしれない。しかも何度も何度も「今のお気持ちを…」なんてマイクを向けられたら、そりゃぁ確かに気持ちのままに無防備にしゃべっちゃうわなぁ~と。
例の家族について、外人のみなさんは、コンサルタントがついて、戦略的に動いていると思っていたようだけど、実際は家族と支援者の間で相談しながら活動しているらしい。でもその道のプロはひとりもいない。向かい風なのに、目一杯帆を張って大いに後退することもあるわけだ。
相当のバッシングの後というのも多分に影響していると思うけど、インタビュー時も家族間で細かい混乱めいたものもあったり、質問の意図がうまく汲み取れずに回答に苦慮したり、途中で涙して答えられないといったシーンが数多くあって、かなりナマナマしい。
普段からスピーチなれしてるわけではない家族を、メディアの前に晒してしまうのは、それだけでかなりリスキーだと思えるし、発言の1つ1つがどんな影響を引き起こすかなんてことを、都度冷静かつ論理的に判断しながら、メディアを通じて訴えかけられるわけないよなぁとわかる。ちなみに世間からのバッシングについては、すべて真摯に受け止めているという。
国 vs 個人というのは、やはり見ていてあまりにもハンデがありすぎて気の毒だというのが率直な感想。ただ自己責任を問う声については、個人的にはまだまだ否定しないけど、かといって国際的な人道支援活動をする気持ちのある人たちが、下手に萎縮してしまうような状況というのもどうかと思う気持ちもあり…。活動そのものは否定したくないし。
こういうノーカット映像は、下手なコメンテイターのコメントがつかない分、見終わったあとで自分で判断できるのがイイ。あとは、またぼちぼちと、いろんな立場の意見なんかにも耳を傾けておきたい。そうしないと、どうにも消化不良のままになって、気持ち悪い。
頭の中で始終綱引きが行われている感じだ。
投稿者 suzumari : 2004年04月17日 08:10
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たまにはまじめに。
テレビニュースで放映される映像は、送り手が必要と感じる部分だけがピックアップされているから、会話の流れがわからなくて、時に大きな誤解を生じることがありますね。
例の「(ボランティアを)続けたい」というくだりも、その前にイラクの聖職者協会の代表さんが「あなたのボランティア活動はお聞きしています。非常にすばらしいことです。今後もぜひ続けてください」と感謝の言葉をいい、それに答える形で出た発言だし、彼女のコメントだけをくり返し放送しちゃうと、正確なニュアンスが伝わっていない気がしてならない。これで「嫌です。イラクは二度とごめんです。もうボランティアなんてしません」なんていうようだと、逆に怖い。
#しかもこの一連のインタビュー、日本のメディアではなく、アルジャジーラTVの取材に対して答えているところがミソ。
もちろん、模範解答は別にあるかもしれないけれど、もし自分が同じ立場にいたとして、とっさにそれだけの判断をして答えられるかといえば、できる人はそう多くないと思う。
今回の一件、自己責任は問われてしかるべきケースだと思いますが、メディアのリードの仕方にも疑問を感じている次第であります。
投稿者 赤猫 : 2004年04月17日 13:37